ブリッジは失った歯の両隣の歯を支柱にして橋を架けるように人工歯を固定する優れた治療法ですが、装着後に痛みを感じるケースは少なくありません。その原因は多岐にわたり、まず考えられるのが支台歯と呼ばれる支えとなる歯への過度な負担です。1本の歯を失った場合、本来3本で支えていた噛む力を2本の支台歯で負担することになるため、根の周りにある歯根膜という組織が炎症を起こし、噛むたびにピリッとしたりズキズキしたりする痛みが生じます。特に就寝中の歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、支台歯にかかる荷重が数倍に膨れ上がり、健康な歯よりもはるかに早く悲鳴を上げてしまいます。次に多い原因が、ブリッジの内部で進行する二次カリエス、つまり虫歯の再発です。ブリッジは支台歯を大きく削って被せるため、経年劣化によってセメントが溶け出し、その隙間から細菌が侵入しやすくなります。被せ物の下で虫歯が進行すると、外側からは見えないため発見が遅れ、神経にまで達して激痛を引き起こすことがあります。また、ブリッジの構造上、人工歯と歯肉の間の隙間に食べカスが溜まりやすく、そこから歯周病が進行して歯肉が腫れ、痛みが出ることも珍しくありません。もしブリッジを入れた歯が痛み始めたら、まずは安静にすることが大切ですが、痛み止めで誤魔化し続けるのは非常に危険です。特に冷たいものや熱いものがしみる場合は神経の炎症が疑われ、放置すると根の先に膿が溜まる根尖性歯周炎に発展し、最終的に支台歯そのものを失うリスクがあります。歯科医院での対処法としては、まず噛み合わせの調整を行い、特定の歯に過重なストレスがかからないようにします。それでも改善しない場合や虫歯が疑われる場合は、一度ブリッジを外して内部の状態を確認し、根管治療をやり直した上で新しいブリッジを製作することになります。予防のためには、通常の歯ブラシだけでなく、スーパーフロスや歯間ブラシを用いて橋の下の部分を徹底的に清掃することが不可欠です。また、3ヶ月から6ヶ月に1回の定期検診で、ブリッジの適合状態や支台歯の健康度をプロの目でチェックしてもらうことが、痛みトラブルを未然に防ぐ唯一の方法と言えるでしょう。ブリッジは非常に便利な治療ですが、自前の歯以上に細やかなケアが求められるデリケートな装置であることを理解し、少しでも違和感があれば早めに専門医に相談してください。
ブリッジを入れた歯が痛む原因と対処法