鏡を見るたびに憂鬱になる時期がありました。それは、唇のふちが赤く縁取られたように荒れ始め、何を塗っても改善しない状態が続いていたときのことです。最初は少し乾燥しているだけだと思い、市販のリップクリームを1日に何度も塗り直していました。しかし、数日が経過しても荒れは収まるどころか、ふちの部分だけが硬くなり、笑うたびにピリッとした痛みが走るようになりました。食事の際も、醤油やソースがふちに触れるたびに飛び上がるような刺激を感じ、大好きな食事を楽しむことさえ困難になっていました。私の失敗は、早く治したいという焦りから、清涼感のある成分や香料が含まれたリップクリームを選んでしまったことです。これらが逆に弱ったふちの粘膜を刺激し、炎症を悪化させていたことに気づいたのは、症状が深刻化してからでした。精神的なストレスも重なり、夜中に無意識に唇を噛んだりなめたりしていたことも、悪化に拍車をかけていました。ある日、思い切ってすべての化粧品と薬用リップの使用を中止し、純度の高いワセリンだけを使うことに決めました。また、日中の習慣も見直しました。水分補給をこまめに行い、室内では加湿器を常に2台稼働させて湿度を50パーセント以上に保つようにしました。驚いたことに、このシンプルな引き算のケアを始めてから3日後には、ふちの赤みが少しずつ引き、5日目には硬かった皮膚が柔らかくなってきました。この経験から学んだのは、唇のふちが荒れているときは「与える」ことよりも「守る」ことが大切だということです。余計な成分が入ったものは避け、ただひたすらに外部刺激を遮断し、自分の体が持つ再生力を信じる。それだけで、唇の状態は劇的に変わるのです。今では、ふちに少しでも違和感を感じたら、すぐに基本の保湿に戻り、夜は8時間の睡眠を確保するようにしています。唇のふちは心身のコンディションを映し出す鏡のような場所です。あの苦しい1週間があったからこそ、今では自分の体と向き合う時間を大切にできるようになりました。同じように唇のふちの荒れで悩んでいる方がいれば、まずはその唇を休ませてあげてほしいと心から伝えたいです。
唇のふちの荒れに悩まされた私の日々の記録