口内炎でリンパまで痛むのは、体の正常な防御反応であることが多いですが、中には、速やかに医療機関を受診すべき、危険な状態が隠れている場合もあります。「ただの口内炎だから」と我慢し続けるのは、時に大きなリスクを伴います。ここでは、自己判断せずに、病院へ行くべきかを見極めるための、危険なサインをチェックリスト形式でご紹介します。以下の項目に、一つでも当てはまる場合は、できるだけ早く医師の診察を受けてください。□ 1. リンパの腫れと痛みが、日に日にひどくなっている。最初は少し痛む程度だったのが、触ると激痛が走る、見た目にも明らかに腫れている、あるいは、しこりのように硬くなっている。これは、炎症が非常に強いか、あるいは、細菌感染がリンパ節内で深刻化している可能性があります。□ 2. 38度以上の高熱が出ている。口内炎とリンパの痛みに加え、高熱や、強い倦怠感を伴う場合、それは、単なる局所的な炎症ではなく、ヘルペスウイルスなどのウイルス感染症や、扁桃炎など、全身に影響が及ぶ病気のサインかもしれません。□ 3. 口内炎が2週間以上、全く治る気配がない。一般的な口内炎は、通常1〜2週間で治癒に向かいます。2週間以上たっても改善しない、あるいは、むしろ大きくなっているような口内炎は、別の病気(自己免疫疾患や、ごく稀に口腔がんなど)の可能性も考える必要があります。□ 4. 口内炎が、口の中に多数できている(多発性口内炎)。一つだけでなく、舌や歯茎、頬の内側など、あちこちに口内炎が多発している場合、これもまた、ウイルス感染症や、ベーチェット病などの全身疾患が疑われます。□ 5. 口内炎が、水ぶくれ(水疱)の集まりのように見える。これは、ヘルペスウイルスの感染を強く示唆する特徴的なサインです。ヘルペスは、感染力があり、特効薬(抗ウイルス薬)による治療が必要です。□ 6. 痛みのために、食事や水分が全く摂れない。強い痛みで、飲食が困難になると、脱水症状や、栄養失調に陥る危険性があります。特に、子供や高齢者の場合は、注意が必要です。これらのサインは、あなたの体が、セルフケアの限界を超えていることを示しています。適切な診断と治療を受けることで、苦痛から早く解放されるだけでなく、万が一の重大な病気の早期発見にも繋がります。我慢は美徳ではありません。迷わず、専門家の力を頼りましょう。