舌が真っ白で、口の中がネバネバする。もしかしたらそれは、ただの舌苔ではなく「口腔カンジダ症」という病気かもしれません。口腔カンジダ症とは、カンジダ・アルビカンスという真菌、つまりカビの一種が、口の中で異常に増殖することによって引き起こされる感染症です。カンジダ菌自体は、私たちの口の中に普段から存在する常在菌の一つで、健康な状態であれば特に悪さをすることはありません。しかし、体の抵抗力が落ちると、この菌が爆発的に増えて病気を発症するのです。口腔カンジダ症の最も特徴的な症状は、舌や頬の内側、上顎などに付着する、白い苔のようなものです。見た目は厚い舌苔と似ていますが、大きな違いがあります。それは、この白い苔が、湿らせたガーゼなどで拭うと比較的簡単に剥がれることです。そして、剥がした後の粘膜は、赤くただれていたり、簡単に出血したりします。この見た目が、チーズかすや牛乳かすに例えられることもあります。自覚症状としては、舌がヒリヒリと痛んだり、ピリピリとした刺激を感じたり、味覚が鈍くなったりすることがあります。では、なぜカンジダ菌は増殖してしまうのでしょうか。その最大の原因は「免疫力の低下」です。風邪や他の病気で体力が落ちている時、強いストレスや疲労が溜まっている時、あるいは糖尿病などの基礎疾患がある場合に発症しやすくなります。また、ステロイド薬や抗生物質を長期間使用していると、口の中の細菌バランスが崩れてカンジダ菌が増えやすくなることも知られています。もし、これらの特徴に心当たりがあれば、市販薬での対処は難しいため、歯科や口腔外科、皮膚科などを受診しましょう。適切な抗真菌薬で治療すれば、症状は改善します。