特定の食べ物が原因の舌の口内炎
舌の口内炎の原因といえば、ストレスや栄養不足がよく知られていますが、中には「特定の食べ物」が引き金となって発症するケースもあります。これは、食物アレルギーや、アレルギーではないものの体が過敏に反応してしまう食物不耐性などが関係しています。もし、特定のものを食べた後、数時間から数日以内に決まって舌がヒリヒリしたり、口内炎ができたりする場合は、この可能性を疑ってみる価値があるでしょう。原因となりうる食べ物は人によって様々ですが、いくつかの代表的な例があります。例えば、キウイやパイナップル、マンゴーといった南国のフルーツです。これらに含まれるタンパク質分解酵素が、舌の粘膜を刺激して炎症を引き起こすことがあります。また、ナッツ類やソバ、甲殻類、乳製品、小麦などに含まれるアレルゲンが、アレルギー反応の一環として口内炎を誘発することも少なくありません。これは、口腔アレルギー症候群とも関連があり、花粉症の人が特定の果物や野菜を食べると口の中にかゆみや腫れが出るのと似たメカニズムです。意外なところでは、チョコレートやチーズ、赤ワインなどに含まれるチラミンという成分や、スナック菓子などに使われる化学調味料に反応してしまう人もいます。さらに、歯科治療で使われている金属の詰め物や被せ物に対する金属アレルギーが、常に口の中に接触している舌に炎症を引き起こし、治りにくい口内炎の原因となっているケースもあります。もし特定の食べ物に心当たりがある場合は、一度その食品を避けてみて、症状が改善するかどうかを観察してみるのが良いでしょう。原因がはっきりしない場合は、アレルギー科などで検査を受けることも一つの選択肢です。