心配ない赤い斑点地図状舌について
舌に赤い斑点ができ、その周りが白い縁で囲まれて、まるで地図のような模様に見える。しかも、その模様は日によって形や場所が変わる。そんな不思議な症状に気づいたら、それは「地図状舌(ちずじょうぜつ)」かもしれません。名前や見た目から何か悪い病気ではないかと心配になるかもしれませんが、地図状舌は良性の状態で、病気そのものではありません。痛みなどの自覚症状もないことがほとんどで、治療の必要も基本的にはありません。地図状舌は、舌の表面にある糸状乳頭という組織が、何らかの原因で部分的に剥がれ落ちる(萎縮する)ことで発生します。乳頭がなくなった部分は粘膜が薄くなって赤く見え、その周りに残った正常な乳頭が白っぽく見えるため、地図のようなまだら模様が形成されるのです。そして、剥がれ落ちた部分が治癒する一方で、また別の場所で乳頭が剥がれ落ちるため、模様が移動するように見えるのが最大の特徴です。はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、遺伝的な要因や、ストレス、疲労、栄養不足、風邪などの体調の変化、そしてアレルギー体質などが関与しているのではないかと考えられています。そのため、体調が良い時には模様が消え、疲れている時に現れやすくなるという人もいます。痛みがない場合は特に何もする必要はありませんが、稀に醤油や香辛料などの刺激物がしみることがあります。その場合は、刺激の強い食事を避けたり、口腔内を清潔に保ったりすることで症状を和らげることができます。もし、見た目が気になる、あるいは痛みが強いといった場合は、一度、歯科や口腔外科に相談してみるのも良いでしょう。地図状舌は、あなたの体調のバロメーターとも言えるかもしれません。