歯医者の基本をサルでもわかるようにまとめた

知識
  • 舌の口内炎は免疫力低下の警告です

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    舌にポツンとできた、痛みを伴う口内炎。私たちはつい、その局所的な症状にばかり気を取られがちです。しかし、その小さな炎症は、実はあなたの体全体の健康状態を映し出すバロメーターであり、特に「免疫力の低下」を知らせる重要な警告である場合がほとんどです。免疫力とは、外部から侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から体を守り、また体内で発生した不要な細胞を排除する、自己防衛システムのことです。このシステムが正常に機能している限り、口の中に常に存在する無数の細菌も、悪さをすることなくおとなしくしています。しかし、何らかの理由で免疫力が低下すると、この均衡が崩れます。細菌の活動を十分に抑制できなくなり、舌の粘膜にできたわずかな傷や荒れをきっかけに、炎症が引き起こされてしまうのです。では、免疫力を低下させる原因とは何でしょうか。それは私たちの日常生活の中に数多く潜んでいます。代表的なものは、睡眠不足や過労といった肉体的な疲労、仕事や人間関係からくる精神的なストレスです。これらは自律神経やホルモンバランスを乱し、免疫細胞の働きを直接的に弱めてしまいます。また、栄養の偏りも大きな要因です。特に、免疫細胞を活性化させるビタミンCや、粘膜を健康に保つビタミンB群、亜鉛などが不足すると、防御力は著しく低下します。舌の口内炎は「今、あなたの体の守る力が弱まっていますよ」という、体からのSOSサインなのです。そのサインを見逃さず、薬で痛みを抑えるだけでなく、十分な休養を取り、バランスの取れた食事を心がけるなど、生活全体を見直すことが根本的な解決に繋がります。